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IQは生存に役立つか?

スコットランドの68年間の追跡調査


1936年にスコットランドで生まれ、11歳の時にIQテストを受けた70,805人(ほぼ全人口の94%)を68年間追跡してIQと生存の関連を検証した2017年の研究
11歳時のIQが高いほど79歳までの全死因死亡リスクが低い傾向にあった

研究は時に考えられないほど時間がかかります。


数日で終わる研究もあれば、時には数十年かかる研究もあります。


今回は、調査完了まで実に68年かかった研究をご紹介します。


Čukić et al. (2017)はIQと死亡率の関係について調査しました。


具体的には、1936年にスコットランドで生まれ、11歳の時にIQテストを受けた70,805人(ほぼ全人口の94%)を68年間追跡してIQと生存の関連を検証したのです。


調査期間は非常に長いですが、結果は簡潔なものでした。


「11歳時のIQが高いほど79歳までの全死因死亡リスクが低い傾向にあった」ということです。


さて、ここで少し研究手法の話をしましょう。


このような研究手法は縦断調査といいます。


ある時点で調査した人々を追跡して調べるので、縦断調査なのです。


反対に、ある時点で異なる年齢の人々を一気に調べる方法もあります。


それは横断調査と呼ばれます。


なぜ、時間のかかる縦断調査を行うことがあるのでしょうか?


それは、異なる年代の人々が異なる要因に曝されてしまっている可能性を減らす為です。


例えば、テロに対する脅威が年齢によって変化するのか?という調査を考えてみると、10代から60代まで一気に調査を行った方がもちろんお手軽です。


しかし、もし参加者がアメリカの人々であれば、9.11を経験したことがある年代とそうでない年代ではテロに対する脅威の知覚に差があるかもしれません。


したがって、年代によって異なる要因に影響されている可能性がある場合などは縦断調査が望ましかったりするわけです(しかし、実際には縦断調査はあるイベントが起こる前から調査を開始している必要があったり、費用も時間もかかることから、なかなか実施するのが難しいので、この研究のようなほぼ全人口に対する長期のデータがあることは非常に貴重です)。


参考文献:


Čukić, I., Brett, C. E., Calvin, C. M., Batty, G. D., & Deary, I. J. (2017). Childhood IQ and survival to 79: Follow-up of 94% of the Scottish Mental Survey 1947. Intelligence63, 45-50.

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