声の大きさと攻撃性
男性は女性よりも大声で話す
大声で話す人はより攻撃的だと認識される
居酒屋が喫茶店やレストランと違うところと言えば、大きな声で会話ができるというところではないでしょうか?
お酒を飲みながら、仲間とあれやこれやと言い合うのはとても楽しい時間です。
しかし、よく考えてみると、話す声の大きさは人によって異なります。
なぜ、ある人は大きな声で話し、ある人は小さな声で話すのでしょうか?
普通に考えると、必要以上に大きな声で話すことは不適応だと言えます。
なぜなら、大きな声というのはよりコストがかかるからです。
しかし、それでもなお大きな声で普段から話す人がいるということは、その行為がコストを上回る、なんらかの適応的な意味があると考えることができます。
いくつかの研究から「大声で話すこと」についての適応的な意味が検討されています。
まず、男性は女性よりも大声で話す傾向があるそうです。
さらに、大声で話す人はより攻撃的だと認識されるということも別の研究からわかっています。
これらを統合すると、普段から大声で話す人は、小さな声で話す人よりもコストがかかっているが、相手に攻撃的だと認識されやすいという適応的な側面があるのかもしれません。
動物で言うところの「威嚇」のような行為が「大声」なのかもしれません。
参考文献:
Kimble, C. E., & Musgrove, J. I. (1988). Dominance in arguing mixed-sex dyads: Visual dominance patterns, talking time, and speech loudness. Journal of Research in Personality, 22(1), 1–16. https://doi.org/10.1016/0092-6566(88)90021-9
Richard A. Page & Joseph L. Balloun(1978)The Effect of Voice Volume on the Perception of Personality,The Journal of Social Psychology,105:1,65-72,DOI: 10.1080/00224545.1978.9924091