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多い?少ない?周囲の助け

子育てと周囲の助け


狩猟採集民族の中には乳児が親族、非親族を含む21人の養育者に育てられている民族もいる
他個体の子を育てたベルベットモンキーは子育てが上手になった

子育ての苦労は仕事とは異なるもので、なんとも言い表しにくいものです。


昔とは違い、現代では子育てに関して周囲の人の助けを得ることは少なくなってきたのではないか?と感じることがあります。


今日は、自分の子ではなく、他人の子育てを手伝う意味というのを考えてみましょう。


狩猟採集民族の中には乳児が親族、非親族を含む21人の養育者に育てられている民族もいるということが研究からは明らかになっています。


これは、アロペアレンティングと呼ばれるもので、自分以外の子どもになんらかのコストを支払い養育を手伝うということを指します。


ちなみに、この"養育者"には乳児を見ているだけや軽く触れるだけのような人も含まれます。


なぜ、狩猟採集民族の間ではこれだけアロペアレンティングが盛んなのでしょうか?


ベルベットモンキーの実験ですが、他個体の子を育てたベルベットモンキーは子育てが上手になるという研究があります。


つまり、子育ての仕方を前もって練習しておくということが、自分の子どもをうまく育てる際に役立つというわけです。


なんとなくですが、保育士さんの方が子育てをうまくできそうと考えると、この説明も納得できます。


少なくとも、私たちヒトは子育てを単独では行わず、アロペアレンティングに頼っている種と言えるので、周囲の助けが必要な時には、SOSを出すことは大切なことなのかもしれません。


参考文献:


Meehan, C.L. Maternal Time Allocation in Two Cooperative Childrearing Societies. Hum Nat20, 375 (2009). https://doi.org/10.1007/s12110-009-9076-2


Fairbanks, L. A. (1990). Reciprocal benefits of allomothering for female vervet monkeys. Animal Behaviour, 40(3), 553–562. https://doi.org/10.1016/S0003-3472(05)80536-6

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