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どのような条件で男の子が多く生まれるのか?

出生時性比(M/T)とさまざまな指標


出生時性比(男児/総出生児数)が(183〜223の)国の健康状態や社会経済的な状態とどう相関するのか調べた2018年の研究
乳児死亡率と5歳未満児死亡率は出生時性比(M/T)と負の相関、男女の出生時平均余命、女性のみの平均余命、男性のみの平均余命、男女の健康調整平均余命、一人当たりGDPはM/Tと正の相関、合計特殊出生率は負の相関(人間開発指数のみ有意ではない)
劣悪な条件下ではオスよりもメスが好まれる(良好な条件下ではメスよりもオスが好まれる)というTrivers-Willard仮説を裏付けている

性比は男女の比率のことを指しますが、いくつもある性比の種類の中から、今回は出生時性比がさまざまな指標とどう関連するのか見てみましょう。


2018年の研究では出生時性比(男児/総出生児数)が(183〜223の)国の健康状態や社会経済的な状態とどう相関するのか調べています。


調査された変数は以下の通りでした。


乳児死亡率、5歳未満児死亡率、男女の出生時平均余命、女性のみの平均余命、男性のみの平均余命、男女の健康調整平均余命、一人当たりGDP、合計特殊出生率、人間開発指数


それぞれの詳しい定義が知りたい方は論文をご確認ください。


結果は、人間開発指数のみ有意ではありませんでしたが、乳児死亡率と5歳未満児死亡率は出生時性比(M/T)と負の相関、男女の出生時平均余命、女性のみの平均余命、男性のみの平均余命、男女の健康調整平均余命、一人当たりGDPはM/Tと正の相関、合計特殊出生率は負の相関というものでした。


この結果は劣悪な条件下ではオスよりもメスが好まれる(良好な条件下ではメスよりもオスが好まれる)というTrivers-Willard仮説を裏付けています。


死亡率が高いような状態では女児を多く産み、環境が改善されると男児を多く産むようになるというわけです。


参考文献:


Grech, V. (2018). Correlation of sex ratio at birth with health and socioeconomic indicators. Early human development, 118, 22-24.

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