嫌悪感と空腹感
嫌悪感は空腹時に減少する
一人暮らしを始めると、毎日料理を作ることの大変さを実感します。
スーパーへ行き、食材を選び、冷蔵庫の中身をうまく使い、美味しいものを作る。
この一連の作業はとても労力を使います。
特に、冷蔵庫に入れた食べ物を腐らせてしまうととても悲しい気持ちになってしまいます。
私たちヒトが腐った食べ物を見ると嫌悪感を抱くのは、病原体を摂取することにより病気になるのを防ぐことが目的です。
しかし、私たちが好ましくない食べ物(腐った食べ物やまずい食べ物など)に抱く嫌悪感は常に発生するのでしょうか?
ある研究によると、食べ物への嫌悪感は空腹時には減少するようです。
つまり、空腹感を感じるような危機的状況では、食べ物は多少のコスト(後々の病気)がかかろうとも食べたほうがまし(餓死で死ぬより)ということです。
これを利用すると、まずい食べ物でも空腹感を感じている状況では食べることが出来ることが分かります。
もし、美味しくない料理を出されることが分かっていれば、少しでも食べる量を減らすためにお腹いっぱいにして行くのではなく、むしろお腹をとっても空かせた状態で行ってみてはどうでしょうか?
もしかすると、美味しく“感じる”かもしれませんよ?
参考文献:
Hoefling, A., Likowski, K. U., Deutsch, R., Häfner, M., Seibt, B., Mühlberger, A., Weyers, P., & Strack, F. (2009). When hunger finds no fault with moldy corn: food deprivation reduces food-related disgust. Emotion (Washington, D.C.), 9(1), 50–58. https://doi.org/10.1037/a0014449