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結婚は生殖契約?

結婚、離婚、再婚パターンの性差


女性の再婚率は低い
子どもがいる場合女性の再婚率は低下するが、男性の再婚率は低下しない
子どもがいる離婚した男性は離婚した女性を、子どもがいない離婚した男性は未婚の女性と再婚する傾向
結婚や離婚パターンは適応度最大化戦略の表れと解釈できる

結婚は生殖の為の契約!


そんなことを言っている人がいたら、円満な夫婦生活を送っている人たちの中にはイラッとしてしまう人もいると思いますが、どういう観点から、結婚は生殖契約だと主張されるのでしょうか?


まずは、1996年の研究から、西洋の4つの文化圏(イングランド、ウェールズ、カナダ、アメリカ)における結婚、離婚、再婚、再離婚のパターンを見てみましょう。


この調査によると、女性の再婚率は低く、子どもがいる場合女性の再婚率は低下するが、男性の再婚率は低下しないこと、そして子どもがいる離婚した男性は離婚した女性を、子どもがいない離婚した男性は未婚の女性と再婚する傾向があるということがわかりました。


これらの結果をどう解釈すればよいのでしょうか?


進化心理学的には、結婚や離婚パターンは適応度最大化戦略の表れと解釈できることがわかります。


まず、女性の再婚率が男性に比べて低いのは、女性の繁殖価が年齢によって大きく影響を受けるからだと考えられます(再婚は常に結婚の後に起こる為、再婚年齢の方が高い)。


次に、子どもがいる場合に女性の再婚率が低下するのは、稼ぎ手である男性にとっては血の繋がらない子どもを養育することが大きな負担となるからだと考えられます。


また、子どもがいる離婚した男性は離婚した女性を、子どもがいない離婚した男性は未婚の女性と再婚するという傾向は、子どもがいない男性は自分の子を求める為にまだ一度も結婚していない女性を好むが、子どもがいる男性は主に自身の子の養育者を探しているからだと考えられます。


つまり、男性も女性もそれぞれの適応度を最大化する為に結婚や離婚という制度を利用している可能性がこれらの調査からは示唆されるわけです。


結婚は生殖契約なのか?そう聞かれると、身も蓋もないような話になってしまいますが、結婚や離婚のパターンを分析してみると、そのような傾向が見られるということは無視してはいけない重要なポイントでしょう。


参考文献:


Buckle, L., Gallup, G. G., Jr., & Rodd, Z. A. (1996). Marriage as a reproductive contract: Patterns of marriage, divorce, and remarriage. Ethology & Sociobiology, 17(6), 363–377. https://doi.org/10.1016/S0162-3095(96)00075-1

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