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協力ってそんなに難しいの?

単純な行動と協力関係の進化


協力関係は複雑な脳やシステムを持たずとも進化した可能性がある
より高いリターンをもたらすグループへと移動するような単純なルールで協力関係は進化した可能性がある

アメリカなどの“寄付大国”とも言える国では毎年莫大な金額が寄付されます。


この事実を知ると、「人間は協力する素晴らしい生き物だ」とか「他の動物とは違う博愛の精神を持っている」などと思いがちですが、「協力」とは生物にとって人間しかなしえないような特別で難しい行為なのでしょうか?


協力関係がどのように進化してきたのかを考えると、私たちが思っているよりずっとシンプルなシステムでも協力は成り立つのかもしれないと考えることが出来ます。


ある研究の主張によると、どうやら協力関係は複雑な脳やシステムを持たずとも進化した可能性があるそうです。


つまり、より高いリターンをもたらすグループへと移動するような単純なルールで協力関係は進化した可能性があるということです。


人や大型霊長類はその他の生物と比べて非常に大きな脳を持っていますが(複雑なシステム)、そういったものを必要とせずとも、単純により高いグループへ移動するということを個体が繰り返していけば、自然と協力関係が相互作用を経つつ誕生するということです。


確かに、よく考えてみるとそうかもしれません。


AグループよりBグループの方がリターンが大きいので、Bグループに多くの個体が集まると、次第にAグループは衰退していきます(つまり、“協力”が少ないグループは無くなっていく)。


私たちよりもずっと小さな脳を持つ生物や単細胞生物のような生き物を観察していくと、より詳細な協力関係の歴史が分かることでしょう。


参考文献:


Aktipis, C. A. (2011). Is cooperation viable in mobile organisms? Simple Walk Away rule favors the evolution of cooperation in groups. Evolution and Human Behavior, 32(4), 263-276. doi:10.1016/j.evolhumbehav.2011.01.002

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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