泣きやすさと最後にいつ泣いたか
37ヵ国を対象に泣きやすさの性差を調べた2011年の研究
16歳~74歳の男性2,497名と女性3,218名(平均年齢23歳)が参加
男性よりも女性の方が泣く傾向が強く、最後に泣いてからの期間が短いことが明らかに
泣く傾向の性差は裕福な国や民主的な国ほど大きかった(泣く傾向は苦痛よりも表現の自由に関連している)
人間はなぜ泣くのでしょうか?
もちろん、ストレスを抱えたり、嫌なことがあるからかもしれません。
しかし、嬉しくて泣くこともあるでしょう。
今回は男性と女性はどちらの方が泣きやすいのかということと傾向の差があるとすれば、それはどのように解釈できるのかについて考えてみましょう。
37ヵ国を対象に泣きやすさの性差を調べた2011年の研究では、16歳~74歳の男性2,497名と女性3,218名(平均年齢23歳)が参加しました。
その結果、男性よりも女性の方が泣く傾向が強く、最後に泣いてからの期間が短いことが明らかになりました。
面白いのは、泣く傾向の性差は裕福な国や民主的な国ほど大きかったということです。
これは、泣くことがストレスに関連しているという直感とは反対に、泣く傾向は苦痛よりも表現の自由に関連している可能性を示唆しています(論文内では複数のモデルが詳しく検討されていますが、簡単にまとめるとこのような言い方になります)。
それぞれの国のサンプルはそこまで多くないですが、多くの国でデータを取ると、様々な変数と組み合わせて分析ができることがわかる研究です。
参考文献:
Van Hemert, D. A., van de Vijver, F. J., & Vingerhoets, A. J. (2011). Culture and crying: Prevalences and gender differences. Cross-Cultural Research, 45(4), 399-431.