リスザルの不安
リスザルにヘビを見せると、ストレスレベルは上昇する
しかし、仲間と一緒にいると、ストレスレベルは単独で見た時ほど上昇しない
仲間の存在はストレスを和らげるのに役立つ(社会的緩衝作用)
「仲間」の存在は時として心強いものがあります。
一昔前の暴走族などはいかにたくさんの仲間を集めるかが対抗勢力との争いに勝てるかどうかが重要なポイントでした。
しかし、仲間の存在は何も困った時だけに力を発揮するものではないことが研究ではわかっています。
ある研究では、リスザルとヘビを対峙させた時に、どのような反応を示すのかを実験しました。
すると、リスザルにヘビを見せると、ストレスレベルは上昇することがわかりました。
しかし、仲間と一緒にいると、ストレスレベルは単独で見た時ほど上昇しないこともわかりました。
つまり、仲間の存在はストレスを和らげるのに役立つということです。
これは、「社会的緩衝作用」と呼ばれており、多くの動物種では仲間と一緒にいるだけで効果を発揮するということが判明しています。
ストレスを感じない、なんでもない日常は「仲間」の存在があったからなのだと気づかされるような研究です。
参考文献:
Coe, C. L., Franklin, D., Smith, E. R., & Levine, S. (1982). Hormonal responses accompanying fear and agitation in the squirrel monkey. Physiology & behavior, 29(6), 1051–1057. https://doi.org/10.1016/0031-9384(82)90297-9