ヴァンデンバーグ効果
ヴァンデンバーグ効果:オスのラットに曝されたメスのラットは、メスのみのグループのラットよりも早く成熟する
繁殖可能な個体(オスのラット)がいるのなら、すぐに交配可能なように成熟を早めた方が良いということ
「子どもから大人に変わる時がいつか?」と聞かれれば、性的に成熟するかどうかが境目という答え方もあると思います。
しかし、性的成熟の時期は個人差があります。
なぜ、一方の人の性的成熟は早く、もう一方の人の性的成熟は遅いのでしょうか?
性的成熟の早さ、遅さを規定する要因について、ラットの研究から考えてみましょう。
1967年の研究によると、オスのラットに曝されたメスのラットは、メスのみのグループのラットよりも早く成熟することがわかりました。
これは、ヴァンデンバーグ効果と呼ばれています。
つまり、繁殖可能な個体(オスのラット)がいるのなら、すぐに交配可能なように成熟を早めた方が良いということです。
この研究は、齧歯類であるラットを使ったものですので、そのままヒトに応用できるかどうかは注意が必要ですが、少なくともラットにとっては、オスのラットがいたら早く成熟した方が結果的には多くの遺伝子を残せるので、このような形質が進化したのでしょう。
参考文献:
Vandenbergh J. G. (1967). Effect of the presence of a male on the sexual maturation of female mice. Endocrinology, 81(2), 345–349. https://doi.org/10.1210/endo-81-2-345