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冷蔵庫が無くても...

餌と海馬と鳥類と


一部の鳥類種は餌を蓄える(隠す)
餌を隠す種はそうでない種よりも海馬が体重や脳と比較して大きい
多くの餌を隠す種はそれだけ相対的に海馬が大きい

皆さんはスーパーへ行き、食材を買ったらどうしますか?


買った分すべて食べきってしまうという人は少ないでしょう。


私たちは食材を冷蔵庫などに保管します。


これは何もヒトに特有の行動ではありません。


実際、一部の鳥類種は餌を蓄えることがわかっています。


そして、習性が異なる種では脳の構造も異なるように進化します。


まず、餌を隠す種はそうでない種よりも海馬が体重や脳と比較して大きいことがわかっています。


これは、海馬が記憶と関連しているためです。


また、多くの餌を隠す種はそれだけ相対的に海馬が大きいこともわかっています。


つまり、餌を隠す種や多くの餌を隠す種の個体の中では海馬が大きい個体が生き残り(多くの餌を隠せれば、それだけ生存に有利な為)、結果として世代を重ねるごとに少しずつ海馬は大きくなったということです。


1ヵ所(冷蔵庫や家)にしか食物を隠さないヒトも、大自然の中、たくさんの場所に食物を保管しなければいけない状況が長い間続けば、いつかは海馬が今より大きくなるのかもしれません。


参考文献:


Krebs, J. R., Sherry, D. F., Healy, S. D., Perry, V. H., & Vaccarino, A. L. (1989). Hippocampal specialization of food-storing birds. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 86(4), 1388–1392. https://doi.org/10.1073/pnas.86.4.1388


Healy, S., & Krebs, J. (1992). Food Storing and the Hippocampus in Corvids Amount and Volume are Correlated. Proceedings: Biological Sciences,248(1323), 241-245. Retrieved December 10, 2020, from http://www.jstor.org/stable/49867

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

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