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なぜ国によって乱婚度合いが異なるのか?

ソシオセクシャリティの国別比較


26の異なる言語、48カ国に住む14,059人を対象にした2005年の研究
国別のソシオセクシャリティは異なる(単婚傾向が最も強い台湾から乱婚傾向が最も強いフィンランドまで)
女性より男性の数が多くなる(性比)ことと繁殖環境が厳しいことの両方が単婚傾向を促す

性に寛容な国もあれば、そうでない国もあるということは直感的に理解できると思いますが、そのような違いを生み出しているのはどういった変数なのでしょうか?


26の異なる言語、48カ国に住む14,059人を対象にした2005年の研究を見てみましょう。


まず、研究をする上では本当に直感が当たっているのかを確かめることが重要です。


実際、国別のソシオセクシャリティは異なるということがわかりました。


ソシオセクシャリティは高ければ乱婚傾向、低ければ単婚傾向であると言えます。


結果としては、単婚傾向が最も強い台湾から乱婚傾向が最も強いフィンランドまでソシオセクシャリティのスコアはばらつきがありました。


興味深いのは女性より男性の数が多くなる(性比)ことと繁殖環境が厳しいことの両方が単婚傾向を促すということでした。


性比が女性に偏っている場合、女性は相対的に希少な存在ではなくなるので、乱婚傾向が強まります。


また、繁殖の環境が厳しいこと(乳児死亡率の高さなど)は男女が協力して子育てをする必要性が高まりますので、これは単婚傾向を強めます。


このように、国によって異なる性の寛容さ(ソシオセクシャリティ)は「文化によって違う」というような大きな説明ではなく、その背景にある様々な変数によって影響を受けていることが詳細にデータを分析するとわかるわけです。


参考文献:


Schmitt, D. P. (2005). Sociosexuality from Argentina to Zimbabwe: A 48-nation study of sex, culture, and strategies of human mating. Behavioral and Brain sciences, 28(2), 247-275.

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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