シジュウカラから学ぶ太るメリット・デメリット
シジュウカラのような小型の鳥は、冬には1日の間に体重が大きく変化する(夜間に失った体重を日中に取り戻す)
しかし、夜間の為に最大限脂肪を蓄えるわけではない(太り過ぎると、捕食のリスクが高まる)
脂肪の蓄積は飢えに対する保険であると同時に、捕食のリスクを高める要因でもある
冬になると、エアコンの有り難みが身に染みます。
私たち人類はテクノロジーによって寒い冬場を乗り越えることが出来るのです。
しかし、考えてみてください。
私たちが冬場に裸で外に出されると、今と同じように生活できるでしょうか?
きっと、夜間の寒空の下で生きていく為にはたっぷりと脂肪を蓄える必要があるでしょう。
様々な調査から、シジュウカラのような小型の鳥は、冬には1日の間に体重が大きく変化することがわかっています。
これは、夜間に失った体重を日中に取り戻すという意味です。
普通に考えれば、脂肪は蓄積できるだけ蓄積すれば良いと思うのですが、話はそう簡単にはいきません。
なぜなら、脂肪の蓄積は飢えに対する保険であると同時に、捕食のリスクを高める要因でもあるからです。
太らなければ、夜間の体重減少に体が耐えられませんが、太り過ぎると、捕食者から逃げることを難しくするのです(もっと言えば、太る為にはそれだけ捕食者の目をかいくぐり餌を探す必要がある)。
太るのも簡単じゃないというのが自然界の鉄則であり、私たち人間が好きなだけ食べ物を食べ、太ることが出来るのはとても幸せなことなのかもしれません。
参考文献:
Owen, D.F. (1954), THE WINTER WEIGHTS OF TITMICE.. Ibis, 96: 299-309. https://doi.org/10.1111/j.1474-919X.1954.tb04130.x
Gosler, A., Greenwood, J. & Perrins, C. Predation risk and the cost of being fat. Nature377, 621–623 (1995). https://doi.org/10.1038/377621a0
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