他者評価に関する自己欺瞞
他者に関する評価をする際、ヒトは自分の意見と一致する情報を集める
つまり、他者を「好ましい」と思いたい人は「好ましい要素」に注目し、他者を「好ましくない」と思いたい人は「好ましくない要素」に注目する
結婚式などで、新郎新婦が出会うきっかけとなる定番の一つは「共通の知人の紹介」でしょう。
しかし、この「共通の知人の紹介」には男女を結婚という人生最大のイベントに導くという良い側面だけではなく、好ましくない側面も隠されています。
それは、「良い人」として紹介された人が自分には合わなかったりすることです。
また、反対に「あの人は良い噂を聞かないよ」と言う人が意外と「良い人」だったりすることもあります。
もしかすると、私たちはある人の評価を他者に伝える際に、正確に伝えていないのかもしれません。
ある研究によると、他者に関する評価をする際、ヒトは自分の意見と一致する情報を集めるということがわかりました。
つまり、他者を「好ましい」と思いたい人は「好ましい要素」に注目し、他者を「好ましくない」と思いたい人は「好ましくない要素」に注目するということです。
私たちが知人から人を紹介されても、その人に対する印象が知人と異なるのは、知人や私たちが無意識のうちに自分の意見に一致する情報のみを集め、自分の意見に一致しない情報は排除しているからなのかもしれません。
参考文献:
Smith, M. K., Trivers, R., & von Hippel, W. (2017). Self-deception facilitates interpersonal persuasion. Journal of Economic Psychology, 63, 93–101.
https://doi.org/10.1016/j.joep.2017.02.012
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