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リスザルとBischof-Kohler仮説

動物は現在に縛られているのか?


Bischof-Kohler仮説:人間以外の動物は、現在経験していない欲求を満たすような将来の出来事を予期して適切な行動を取ることができない
リスザルを対象に行われた2006年の実験結果はBischof-Kohler仮説を不支持

皆さんはBischof-Kohler仮説を知っていますか?


この仮説は人間以外の動物は、現在経験していない欲求を満たすような将来の出来事を予期して適切な行動を取ることができないというものです。


これは、ヒトと動物の認知の違いを示す予測の例として知られていますが、この仮説の反証になる例はないのでしょうか?


実はリスザルを対象に行われた2006年の実験結果はBischof-Kohler仮説を支持していません。


詳細は割愛しますが、この実験ではリスザルに喉が渇いていない状態で将来の喉の渇きを癒す為に現在食べる餌の量を調整することを求めるという複雑な手順が用いられました。


リスザルの我慢で紹介したように、リスザルには将来の報酬を予測して行動する能力もありますが、そこから一歩進んで、現在経験していない欲求を将来満たす為に備えることもできるというわけです。


参考文献:


Naqshbandi, M., & Roberts, W. A. (2006). Anticipation of future events in squirrel monkeys (Saimiri sciureus) and rats (Rattus norvegicus): tests of the Bischof-Kohler hypothesis. Journal of Comparative Psychology, 120(4), 345.

*全ての記事は科学的な知見に基づくものであり、一部の人に不利になるような思想を助長させるものではありません。

*全ての記事の内容は新たな知見等により、多少の修正が必要な場合や正反対の見解が正しいとされる場合もあります。

​*全ての記事は正確さの担保の為に、出来るだけ多くの引用や参考文献を紹介しますが、最終的な正確さの判断はご自身でなさってください。

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