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親が子どもを殺す時。

進化心理学的観点からの幼児殺しの分析


子どもが健康でなければ、貧しい親によって殺されるかもしれない

突然ですが、問題です。


親は一般的に子どもを殺そうとするでしょうか?


正解は(もちろん)NOです。


生物とは生き続け、繁殖し続け、遺伝子を残し続ける生き物です。


基本的には、親は子どもを殺そうとしません。


実は、テレビなどで報道される親による幼児殺しは実の両親によって行われるより、継母や継父によって行われる方が多いです。


以前、シンデレラはなぜいじめられる?という記事でも紹介しましたが、研究結果から、両親とも血が繋がっている場合に比べ、一方もしくは両方が血が繋がっていない場合、子どもが怪我をしたり、死亡したりする確率が40~100倍に上昇することがわかっています。


しかし、それでもなお実の両親による虐待や幼児殺しは行われます。


その原因はなんでしょうか?


進化心理学的観点に立つと、どんなに子どもが成長しても次の世代に遺伝子を残せなければ意味がありません。


残酷なようですが、進化の歴史とは生存・繁殖レースなのです。


つまり、子どもの健康状態に問題がある場合には親は子育てを諦めます(親の資源が限られている場合は諦めるが、資源が豊かな場合は積極的に助けようとする)。


実際、0歳児が実の親によって殺される確率は、1歳児の3倍以上、10歳児の10倍以上となっています。


これは、年齢が上がると、子どもが自分の身を守れるようになるからではありません。


なぜなら、別のデータによると、血縁者以外によって子どもが殺される確率はU字型のようになっており、0歳児と比べると10歳児が殺される確率は半分ほどですが、17才の子が殺される確率は約4倍です。


つまり、血縁者にとっては、年齢が上がるほど健康ということが証明されるので殺す価値は減少しますが、非血縁者にとっては他人の年齢が上がるということは、繁殖上のライバルが増えるということを意味するので、殺す価値が上昇します。


まとめると、親が子どもを殺す時とは「親の資源が少なく、子どもの健康状態に問題がある時」と言えるでしょう。


参考文献;


Daly, M., & Wilson, M. (1998). The truth about Cinderella: A darwinian view of parental love. Yale University Press.


Beaulieu, D. A., & Bugental, D. (2008). Contingent parental investment: An evolutionary framework for understanding early interaction between mothers and children. Evolution and Human Behavior, 29(4), 249–255. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2008.01.002


Daly, M., & Wilson, M. (1988). Homicide. Hawthorne, NY: Aldine.

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