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托卵の為に...

托卵性と海馬の大きさ


コウウチョウは托卵をする
メスは托卵する巣を見つけてから数日以内に卵を産む為に巣に戻る必要がある
したがって、コウウチョウのメスはオスよりも海馬が大きい

冷蔵庫が無くても... では「餌を隠す種はそうでない種よりも海馬が体重や脳と比較して大きい」ことを示す研究を紹介しました。


しかし、同種の中でも海馬の大きさには性差が見られる場合があります。


コウウチョウという種類の鳥は托卵をすることが知られています。


メスは「托卵する巣を見つけてから数日以内に卵を産む為に巣に戻る必要がある」ので、オスよりもメスには高い空間記憶能力が求められます。


実際に1993年のコウウチョウのオスとメスの脳を調べた研究によると、「コウウチョウのメスはオスよりも海馬が大きい」ことがわかりました。


オスはメスの托卵を手伝わないので、オスとメスの海馬が同じように大きくなることはなく、托卵の為に訪れた巣を覚えておく必要があるメスだけに淘汰圧が働いたというわけです。


参考文献:


Sherry, D. F., Forbes, M. R., Khurgel, M., & Ivy, G. O. (1993). Females have a larger hippocampus than males in the brood-parasitic brown-headed cowbird. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 90(16), 7839–7843. https://doi.org/10.1073/pnas.90.16.7839

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