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行進が自然に生まれるわけ

行進のメリット


歩行中に他人と鉢合わせすると、歩行者は速度を落とし、左右に避ける必要がある
しかし、歩行者は前の歩行者の後ろにつけば、そういった無駄な労力を省ける可能性が高い
新しい歩行者が前の歩行者の後ろにつくということが繰り返されると、行進は自然に発生する

なぜ軍隊は行進するのか?では、行進が持つ“力”について説明しました。


今回は、行進はそもそも訓練や指導なしでも自然発生するという考え方を紹介したいと思います。


自然界での行進というと、アリの行列を思い浮かべる方が多いと思いますが、なぜアリは隊列を組み、行進するのでしょうか?


そもそも、行進には何のメリットがあるのかを考えてみましょう。


まず、歩行中に他人と鉢合わせすると、歩行者は速度を落とし、左右に避ける必要があるということを抑える必要があります。


衝突を避ける為には左右に逸れなければいけないというのは、イメージしやすいと思います。


行進が自然発生するまでの最初の段階では衝突を避けるという行為が頻繁に行われると考えられます。


その後、歩行者の多くはあることに気が付き始めます。


それは、前にいる歩行者の後ろにつけば、速度を落とし、左右に避けるというような無駄な労力を省ける可能性が高いということです。


そして、新しい歩行者が後ろにつくことが繰り返されると、行進は自然に発生するというわけです。


行進が自然に発生するのは、歩行にかかる余分なコストを減少させる為というわけです。


なんとなく眺めていたアリの行列にも「コストをいかに減らすか」という進化において重要な話が出てくるのは感慨深いものです。


参考文献:


Couzin, Iain & Krause, Jens. (2003). Self-Organization and Collective Behavior in Vertebrates. Advances in The Study of Behavior - ADVAN STUDY BEHAV. 32. 1-75. 10.1016/S0065-3454(03)01001-5.

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