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子どもの死と悲しさ

進化心理学から考える子どもの死の悲しみの特徴


母親は父親より子どもの死を悲しむ
男の子どもが死ぬ方が悲しい
祖父母のうち、最も孫の死を悲しむのは母方の祖母
母親のきょうだいは父親のきょうだいよりも悲しむ

子どもの死は親や親族にとってはとても悲しいものです。


しかし、全ての子どもの死が平等に悲しいわけではなく、全ての親族が同じように子どもの死を嘆くわけでもありません。


進化心理学的な観点から、子どもの死とそれがもたらす悲しみについて考えてみましょう。


1986年の研究から、いくつかの興味深い現象が見られているので、以下のリストを読んだ後に、なぜそうなるのか?を考えてみてください。


①母親は父親より子どもの死を悲しむ

②男の子どもが死ぬ方が悲しい

③祖父母のうち、最も孫の死を悲しむのは母方の祖母

④母親のきょうだいは父親のきょうだいよりも悲しむ


いかがでしょうか?


①〜④の現象を進化心理学の観点から説明できたでしょうか?


では、一つずつ考えてみましょう。


まず、①母親は父親より子どもの死を悲しむというのは、既婚男性は魅力的?でも紹介したように、母親(女性)は一生の間に産める子どもの数が限られているからです。男性は理論的にはいくらでも子どもをもうけることができるので、女性よりは1人の子どもを失う悲しみが大きくないわけです。


②男の子どもが死ぬ方が悲しいというのは、少しトリッキーですが、なぜ既婚男性は不倫するのか?や①と同じような理由から説明することができます。理論的には、女性より男性の方が繁殖成功度は大きくなります。つまり、男の子が亡くなることは、将来手に入れられた可能性があるより多くの孫の喪失を意味するので、悲しみは大きくなるわけです。


③祖父母のうち、最も孫の死を悲しむのは母方の祖母というのは、母方の祖母と対面接触で紹介されたように、「父性の不確実性」が全くない母方の祖母は孫に対して積極的に支援する可能性が最も高いという考えからも理解できます。


④母親のきょうだいは父親のきょうだいよりも悲しむというのは、いとこの中で誰を助ける?で紹介された考え方や③の考え方ととても似ています。つまり、母親側のきょうだいは子どもが確実に自分と遺伝子を共有しているとわかりますが、父親側のきょうだいはそうではないということです。


以上のように、子どもの死を誰がどの程度悲しむのか?という疑問に対しても進化心理学的な観点から予測・解釈可能というわけです。


参考文献:


Littlefield, C. H., & Rushton, J. P. (1986). When a child dies: The sociobiology of bereavement. Journal of Personality and Social Psychology, 51(4), 797–802. https://doi.org/10.1037/0022-3514.51.4.797

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